Gourmet
2019.07.19

『 世界のアイスクリーム 』~ 南国よりココナッツのアイスクリーム ~

ものがたりのあるレシピ。 7月

 

暑くなってくるとついつい手が伸びてしまうのがアイスクリームですね。南の国では日々の暑さをしのぐ一服の清涼剤として、日本であまり見ることのないトロピカルフルーツやココナッツのアイスクリームを目にします。北の国では短い夏を楽しもうという人々が作るアイスクリーム屋さんの列が印象的です。こちらでは旬のベリーやチョコレートに人気があるようです。何れにしても世界で愛されるスイーツ、アイスクリーム。今月はタイで出会った思い出の味をご紹介いたします。

 

『ココナツとバナナのアイスクリーム』

調理時間 20分

 

 

  1. 生クリーム48% 180ml・ココナツクリーム100ml・プレーンヨーグルト 50ml・コンデンスミルク 50ml・グラニュー糖 40g・塩 少々をボールに入れて、底を氷水で冷やしながら8分立てに泡立てる。潰したバナナ 1本分を加えて混ぜる。

 

  1. タッパーなどの容器に流し込み、冷凍庫で冷やしかためる。途中2時間たったあたりで一度かき混ぜるとふんわり仕上がる。

 

 

7月のコラムは “ ココナツアイスクリーム短編集 ” のものがたり

 

ココナツアイスクリーム…こんなに美味しいのに、なんで日本ではあまり流行らないのかしら…。ココナツオイルはあんなにブームになったのに…。私の素朴な疑問です。

☆ 初めてココナツアイスクリームに出会ったのはタイ・バンコクでのことでした。友人と、かわいいエプロンをつけた子供の店員さん?がたくさんいる、不思議なタイスキレストランをおとずれたときのこと。ちびっこ店員さんが食後になにやらメニューの写真を指して、「デザートにこれを食べて!」と言っている様子です。お値段は50円程度。なんだかよくわからないけれどまあいいか…とお願いしたそれが、ココナツアイスクリームとの出会いとなりました。その味と言えば…まあなんと美味しいこと!20年以上前の日本には今ほど外国の食べ物がありませんでしたので、これがココナツの風味か~と感動したものです。よく見ればタイではトムヤンクン・タイカレーをはじめ様々な料理にココナツが使われています。今思うと、ココナツの美味しさと出会い、食材としてのポテンシャルの大きさ、幅の広さを知ったのは、タイをはじめて訪れたこの旅だったように思います。

☆ それからのこと、旅客機の国際線乗務員となり、東南アジアの国を訪れるたびにココナツアイスクリームを食べました。でも本当は東南アジアではアイスクリームを食べることは好ましいことではありませんでした。お酒のように厳密な規定はありませんでしたが、お腹を壊すから、という理由で食べるべきではない、とされていたのです。それはカットフルーツや氷の入った飲み物等も同様でした。でもそんな“好ましくないもの”に限って、一年中ムシムシと暑い東南アジアの国では美味しく感じるものなのです(笑)。そんな時によく先輩方が口にしていた言葉は「目をつぶって食べましょう」…(笑)。見なかったことにしよう、そんな意味だったのでしょうか。20世紀は、今よりもユーモアあふれる、そしてどこかに遊びや余裕のある時代だったように思います。目をつぶって食べるココナツアイスクリームは、スリルも相まってかより美味しく感じたものでした。アイスクリームでお腹を壊すことがなかったのは幸いかもしれません…。

☆ 乗務を引退し東南アジアに行くことも減った現在ですが、ベトナム・ホーチミンにこれぞ世界一!というココナツアイスクリームを提供するレストランがあります。それは国賓のおもてなしにも選ばれる「マンダリン」というレストラン。今でもこの地を訪れる際には必ず予約を入れるのですが、ベトナム料理店ながら、フランス領時代の名残でデザートメニューに“クレープシュゼット”があり、それに添えられているココナツアイスクリームが何とも絶品なのです。アイスクリームは二つ添えてください、とお願いするのが決まり。子供と取り合いにならないように、一つずつ注文します(笑)。それからもう一つ、気になっているのが、ハワイから日本に上陸した元ミシュランシェフのココナツアイスクリーム。表参道にあるとのことですから、こちらは検索なさってみてくださいね。

いずれにしてもホーチミンにも、表参道にすら、さっと足を運べない今。ならば自分でと試作を重ねに重ねて配合を決めた、マイレシピのココナツアイスクリームが夏休みのおやつタイムを楽しいものにしてくれています。まずはこちらを作ってみてくださいね。

 

<自己紹介>

航空会社勤務を経てパリにて料理を習得。

横浜にて料理教室『レ・キュイジニエール』を主催。