Trip
2019.11.15

地元の素材を洗練された味に……。シェフの技が光る創作フレンチ

誕生日や記念日などの特別な日には、オシャレして少し贅沢な食事を楽しみたいですよね。
今回訪れたお店は、そんなシチュエーションにぴったりな、フレンチレストランです。

小田急線秦野駅から車で5分ほど。のどかな風景が広がる場所に佇むのが、こちらのお店。

温もりのある建物が印象的なこちらは、「L’atelier de 巣邸樹」という一軒家レストランです。

早速店内に入ってみると、落ち着いた雰囲気ながら、贅沢な気分を感じられる空間が広がっています。


一軒家レストランとはいえ、個室も用意されているので、
幅広い年代の方と安心して食事を楽しむことができます。

早速メニューを拝見すると、コース料理のバリエーションの多さに驚かされました。

(メニューは季節や時期によって異なります)。
特別なシーンにぴったりな贅沢なものはもちろんのこと、若い人でも手が届く価格帯のコースまで揃っています。

今回は、若い女性でも気軽に楽しめるコースA(¥2860 税込)をいただいたのですが……。
驚くなかれ、比較的手頃な価格のコースだからと侮ることのできないお料理が次々と運ばれてきました。

まず前菜がこちら。

目にも鮮やかなこの前菜は、花オクラのファルス。
オクラの一種でありながらも花の部分を食べることができる花オクラは、
ほんの少しの苦味とやわらかい食感が特徴。
その花びらの中には、中トロとアボカドのタルタルが入っています。
土台は小さなパスタであるクスクスをトマト味で仕立てたもの。
食べるのがもったいないほどの美しい様の前菜です。

いざ口に入れてみると、それぞれの素材の味わいを感じつつも、旨味がひとつになって口いっぱいに広がります。
食べたことのない料理なのに、何の違和感もなく「美味しい!」と思わせられる、目から鱗のお料理です。

続いてサーブされたのは、季節のポタージュ。

この日は地元・秦野で採れた栗を使ったポタージュでした。
なかなか聞いたことのない栗のポタージュ、こちらもどんなお味なのかといただいてみると……
これ、全員が一口食べた瞬間目を見開いてしまうだろうな、と思うほどの驚きの美味しさ!
栗の風味が実に豊かで、それでいてまろやか。
最後にシナモンがふわっと香り、後味はさっぱりとしています。

伺ってみると、シェフみずからが栗の皮を剥く作業から最後の仕上げまでを行うので、
手間暇がとてもかかるのだとか。
栗と牛乳だけで作られているのが信じられないくらい、えぐみがなく濃厚な味わいに仕上がっているのは、
熟練された腕を持つ人が丁寧に丁寧に作っているからに間違いありません。
栗のポタージュが食べられるのは、一年のうちたった数週間。
これを目当てに来られるお客様もいらっしゃるといいます。

そしてお待ちかね、メインのお肉料理が運ばれました。

パッと目を惹く鮮やかなグリーンは、パセリのクレープ。
その下には、マッシュ状の鶏肉と紫芋が。
口に運ぶと、優しくもしっかりとしたお味のお肉部分と、紫芋のほくほくとした味わい、
さらに少し塩味の聞いたクレープが三位一体となって舌を喜ばせてくれます。

秦野の抹茶で作られたデザートも、濃厚な抹茶の風味が豊かで、
最後の最後まで見も心も満足するコースをいただくことができました。

こんなにも華やかで工夫を凝らした料理が並ぶこのレストラン、
実はオーナーシェフがお1人で作り、奥様がサーブをするという、
ご夫婦たった2人で営まれているのです。

オリジナリティー溢れる料理の数々はすべて「発想が降ってくる」ようにできあがるというシェフ、
生まれも育ちも秦野という、生粋の秦野人です。

しかし一度は秦野を出て、様々なところで料理を作ってこられたのだとか。
都内の一流レストランや、本場フランスでも腕を振るい、
一時は海外でお店を出さないかという誘いもあったと言います。

しかし、地元である秦野の、
たくさんの野菜が採れ、すぐ足を伸ばすと漁港で新鮮な魚を手に入れることができるという環境に、
料理人として面白さを感じ、
2010年にお店をオープンさせました。

以来、地元の人だけでなく、遠方からわざわざ足を運ぶ人もいるほどの
知る人ぞ知る名店として、多くの人に愛されています。

思うに、一流のレストランや世界での経験を持ちトップの景色を見た人にとって、
秦野はやはり小さな場所だったのではないでしょうか。
実際に、都内であれば日本各地の様々な食材を簡単に取りそろえられたといいます。

しかし、それでも最終的には地元・秦野に帰って自らのお店を開いたのは、
秦野の場所と食材を愛しているから。
むしろ世界を見た人だからこそ、秦野という場所と食材の可能性を感じ、
それを活かすことにシェフ人生を懸ける決断ができたのではないかと思うのです。

多くを語らないシェフの思いは、作る料理に込められている気がしました。
一口食べると驚きや喜びを感じられる食事を通して、
大切な人に「おめでとう」「ありがとう」の思いを伝えたくなる、素敵なレストランです。

SPOT INFO

L’atelier de 巣邸樹

秦野で生まれ育ったオーナーシェフが腕を振るう一軒家レストラン。目でも楽しめる前菜から、手間暇かけて作られたポタージュ、オリジナリティ溢れるメインディッシュなど、サーブされる度に嘆息する一皿が並ぶ。コースの種類も豊富で、記念日や特別な日に使いたいお店。

  • ショップ・スポット名
    L’atelier de 巣邸樹
  • 住所
    神奈川県秦野市今泉台3-17-23
  • 電話
    0463-81-0417
  • 営業時間
    12:00〜15:00、18:00〜21:00・水休
  • クレジットカード
  • 予約
    完全予約制(前日までに予約)
  • サービス料・チャージ
  • 平均利用額
    【ランチ】¥3,500【ディナー】¥5,000
  • 個室
  • テイクアウト/お弁当
    有(自家製ロースハム(お中元・お歳暮)、おせち)
  • ドリンク
    ビール、ワイン、日本酒、焼酎、ウィスキー、ノンアルコール(ビール、ワイン、スパークリング)
  • コース料理
  • URL