Lifestyle
2019.11.15

はやし農園  林 英史さん

「トライ&エラーを積み重ねて
 いろんなことが少しずつできるようになってきました」

新米の季節です。青葉区鴨志田の「はやし農園」でも、寺家の田んぼが収穫の時期を迎えていました。
農家の出身ではない林さんが農業に取り組んだのは大学時代。卒業後は設計の仕事に就いたものの、農業が諦めきれず、兼業農家として歩んでいたそうです。専業農家へと舵を切ったのは、東日本大震災がきっかけだったとか。

「横浜の農業には、直接販売したり飲食店に卸すなど、いろんな選択肢があります。野菜嫌いだったお子さんが、自分が作った野菜を食べてくれるようになり、育っていく姿を見ると『いい仕事をしているな』と思います(笑)」

一年を通じて約70種類の野菜とお米、小麦を栽培しているほか、最近は黒米やモチ麦などの雑穀にも挑戦。農薬・化学肥料はできるだけ使わず、お米と小麦は天日干し自然乾燥するなど、手間ひまかけて育てています。

「今年は台風被害も大きかったし、自然の力に太刀打ちできない人間の小ささを感じて、悔しくて仕方がありません。それでも、農業は自分にとっては天職だと思っています」

林さんの田んぼがある「寺家ふるさと村」の風景。雑木林の丘に挟まれた「谷戸田」と呼ばれる細長くのびた水田が特徴。
「お米は貯蔵できるので、経済的な安定のためにも大切な作物です。田んぼと畑、両方できるのが横浜のいいところですね」と林さん。
刈りとった稲は“はざがけ”して天日干し。手間をかけてじっくり自然乾燥させることで、お米1粒1粒にうまみがギュッと凝縮される。
鴨志田郵便局の軒先を借りた直売所は、毎週月曜日に開店。

 

【profile】
■はやし農園
収穫した農作物は直売所で販売するほか近隣の飲食店にも卸している。旬の野菜・食材が8〜10種類届く宅配サービスも。

《はやし農園 林 英史さんインタビュー》

農家になろうと思ったきっかけは?

昔から自分で作物を育てることに興味があったので、大学は農学部に進学。稲城市の農家さんに住み込んで見習い生活をしていたのですが、経験したことのない世界がとても楽しかったんです。
とはいえ、農家の出身ではない人にとって、就農はとてもハードルが高いので、卒業後は一旦、企業に就職しました。でも、やっぱり諦めきれなくて…。10年前に正式に就農できたこともあり、兼業から専業に少しづつ移行してきました。

今年は大きな台風が何度も来て大変だったのでは?

都会に暮らしていると忘れがちですが、自然の脅威はいつだってあります。ひとたび猛威をふるうと人の力では太刀打ちできないし、人間の小ささは縄文時代と変わらないのだと思い知らされ、悔しくて仕方ないです。
今年も台風で稲が倒れたり、葉物野菜が2割以上枯れるなどの被害がありました。

それでも、農業がお好きなんですね

農業にはいろんなカタチがります。育てて農協に卸すだけでなく、直売所で販売したり、飲食店に卸すなど、いろんな選択肢がある。直売所で出会った野菜嫌いのお子さんが、自分が作った野菜を食べてくれるようになり、元気に育っていく姿を見ると本当に嬉しいし、「いい仕事をしているな」と心から思います。
近隣の飲食店や惣菜店にも卸しているので、ぜひ食べてみてください。

今後やってみたいことがあれば聞かせてください

昔から興味があったので、雑穀を少しずつ増やしていきたいと思っています。新しいことをはじめると、わからないことがいっぱい出てきます。貯蔵法、栽培法、販売方法などなど、失敗もいっぱい経験しました。トライ&エラーを積み重ねて、いろんなことが少しずつできるようになってきた感じです。
農業は60年、といわれています。初めの20年は教わる時間、次の20年は自分で作り、最後の20年は次世代に伝える時間だとか。僕は農業をはじめて30年ほどなので、ちょうど自分の農業ができてきたところなのかもしれません。
慌てる必要はないので、これからもゆっくり取り組んでいきます。

SPOT INFO

はやし農園

寺家町を中心にお米、小麦、野菜を70種類ほど栽培しています。毎週月曜は鴨志田郵便局前で直売所を出しているほか、桜台(ウディーハート)、江田(maaru)、市ケ尾(あおばマルシェ)などでも定期的に販売しています。

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