【取材記事】イノベーションが生まれる現場「TECH HUB YOKOHAMA」が始動!
横浜ランドマークタワーの敷地内・けやき通り沿いに、11月11日、ワーク・ラウンジや最新技術の展示スペース、カフェレストランを併設した技術系スタートアップ企業の支援拠点「TECH HUB YOKOHAMA」がオープンしました。
グローバル企業の開発拠点が集まるみなとみらいで、周辺企業との人材交流を促進し、新たなビジネスの創出を目指します。
目指せ横浜発“ユニコーンクラス”
「TECH HUB YOKOHAMA」は、横浜市経済局が設置し、三菱地所株式会社・横浜未来機構共同企業体が運営するテック系企業に特化した支援拠点です。
施設は、みなとみらいのなかで「未来を感じられる場所」の一つとして思い浮かべてもらうようにデザインされたそう。
オープンスペースを通り、ガラス張りの建物に入ると大きな惑星が出迎えてくれ、未来的な空間が広がります。
入口正面の受付に向かって、右手にはTECH HUB YOKOHAMAのメンバーが活用できるワーク・ラウンジ、左手には誰でも利用できるカフェレストランがあります。
ビジネスパーソンも近隣スポットに遊びに来た人なども、気軽に立ち寄ることができます。
目指すのは「ユニコーンクラスのスタートアップ創出」。
ユニコーンクラスとは「企業価値評価額が10億ドル以上、かつ設立10年以内の未上場企業」のことで、ユニコーンのように滅多にいないことからそのように呼ばれるそうです。
大企業とスタートアップの協業や資金調達に向けた交流の場を提供するため、ワーク・ラウンジにはここに集まる人材をコーディネートするコミュニティマネージャーが常駐。スタートアップが専門家や投資家から最新情報やアドバイスを得られる環境づくりをしています。
さらに、専門的な知見から、製品・サービス開発の技術サポートや、販路開拓・マーケティングなどの支援・情報提供など、スタートアップに助言を行う「メンター企業」を設置。
半導体やサイバーセキュリティ等の最先端テクノロジーを提供し、グローバルに展開する技術商社である株式会社マクニカ(横浜市港北区)が一社目のメンター企業として支援を開始しました。
海外進出を強力にサポートする支援体制も充実。
2階にはドイツ発のモビリティに特化した共創ハブ「The Drivery Japan」が拠点を設置しています。
欧州のネットワークを活かし、オフィス・コワーキングメンバーへの多彩な支援を提供するほか、横浜市と提携しモビリティ分野の新規事業を支援するスポットコンサルサービスも行います。
「モビリティは、小さな半導体から宇宙開発まで含んだ分野です。それくらい幅広くサポートしていただけると思います」と大橋さん。
毎週金曜日は、モビリティに関するイベントなども開催しています。
また、毎月第2・第4水曜には、米国のCIC(Cambrige Innovation Center)の姉妹団体「Venture Café Tokyo」による起業家や投資家、研究者、学生など人と人をつなぐ交流イベント「YOKOHAMA CONNÉCT」が開かれています。
横田さんは「モビリティ分野に対してはThe Driveryさん、グローバル展開に関してはVenture café Tokyoさん、このエリアの大企業へのアプローチでは横浜未来機構さんという形で、ネットワークでスタートアップの支援を行う運営体制を築いています。足りないところについては、メンター企業という形で大企業やベンチャー企業に入っていただくことでさらに補っていきたいです」と話します。
大橋さんは「みなとみらいをはじめ横浜周辺のテック系人材が日常的にフラットに出会える場はこれまでありそうでありませんでした。仕事終わりに『今日水曜だから何かやってるかな、とりあえず行ってみようかな』といった具合に、企業間のコラボで新製品を生み出そうとする人たちが集まる場になってほしいです」とも。
近隣の企業だけでなく、コンベンションなどで国内外からみなとみらいを訪れた人との接点もつくりたいそうです。
人と人、人と技術をつなげる空間づくり
ワーク・ラウンジは、スタートアップやパートナー企業など、メンバー間での交流や打ち合わせ、サテライト的な執務スペースとして使える空間。
山鹿さんは、「ワーク・ラウンジという名前ですが、スタッフ間ではつながるためのラウンジ、“コネクティング・ラウンジ”にしたいという思いを共有しています。ビジネスミーティングというと外部の人からは見えにくい場所が多いなか、ここは通りに面したガラス張りの開放的な場所。交流の生まれる景色をどんどん見ていただき、『あそこに行けば、何かに出会える』と思っていただきたいですね。2025年3月末まで、試行期間中のメンバーを募集中です」と展望を語ります。
併設する「TOMT CAFE BISTRO BAR」は、食事にもお茶にも飲み会にも利用できるホームメイドにこだわったカフェレストランです。
自家焙煎コーヒーや、自家製アイスクリーム、スパイスチキンカレーなどが楽しめます。
ランチタイムには親子連れや周辺のオフィスワーカーの利用も多いそう。
アルコールメニューも充実しており、ワーク・ラウンジでのイベント後の懇親会やちょっとした打ち合わせにも利用されています。
また、施設のあちこちに、最新技術や試作品に自然に触れられる工夫も。
歩道に面した芝生スペースでは最新モビリティが目を引きます。
水に浮き水面の移動も可能だという世界最小クラスの4人乗りEVを前に、通りがかりに目を止めて、写真を撮る人もちらほら。
街の人に知ってもらうきっかけに、そして企業の人々同士の会話のきっかけになることを目指しています。
- 施設内にも、スタートアップや大企業の試作品、最新技術の展示などがされています
みなとみらいにとって「かっこいい」施設に
山鹿さんは、「大人が活き活きとアイデアを交換する場を間近に見せることで、みなとみらいのビジネス面の魅力を多くの方に知ってほしいです。この場所で新しいものが生まれるんだというイメージを子どもたちにも持ってもらえたら。そして、そういった場所があることが横浜の誇りになるような、ビジネスだけに閉ざした場所ではなく、街にとってもかっこいい施設にしていきたいですね」と語ります。
大橋さんは、企業には日常的にこの場所を活用することでシナジーのきっかけをつかみ、ここでの出会いから世界に広がる製品が生まれることを楽しみにしているそう。
「オフィス街のシチュエーションとは違って、みなとみらいは、楽しんだり新しい発見があったり、プライベートの立場でも過ごせる場です。仕事というよりも“自分ごと”としてここに来て交わることで、ビジネスだけでなく、世の中のこと・社会のこと・家族のことを一緒に考えられるというのが、まさにみなとみらいなんだなと思っています」と結びます。
イノベーションが生まれるワクワクを発信していく「TECH HUB YOKOHAMA」。
2025年1月の未来技術を体験できるイベント「YOXO FESTIVAL 2025(1月24日~26日開催)」では「魔改造とガジェットエリア」の会場になることが決まっています。
ここで出会った技術を活用したサービスや製品と、また日常で出会える日が来るかもしれません。
みなとみらいで生まれたユニコーンが世界に羽ばたく日が楽しみですね。
TECH HUB YOKOHAMA
住所:横浜市西区みなとみらい2丁目2番1号 横浜ランドマークタワー
みなとみらい線「みなとみらい」駅 徒歩6分
JR線・横浜市営地下鉄「桜木町」駅 徒歩7分
営業時間:平日10:00~18:00(カフェは9:00-21:30、土日も営業)
運営主体:三菱地所株式会社・横浜未来機構共同企業体
https://techhub-yokohama.com
YOXO FESTIVAL 2025
日時:2025年1月24日~26日
(TECH HUB YOKOHAMAの参加は25日11:00~19:00・26日11:00~17:00)
https://yoxo-o.jp/yoxofestival/