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取材記事

【取材記事】みなとみらいミュージアム紹介④ 見て、触れて、“美のひらめきと出会う場所” 「S/PARK」で「美」を体感する!

コロナ禍で、なかなか紹介できなかったみなとみらいにある 4 つのミュージアムを紹介していま す。
今回は今年(2022 年)に創業 150 周年を迎えた資生堂。資生堂の“美”へのこだわりがつまった「S/PARK」を体験してきました。

「S/PARK」の空間全体で美を体験。

みなとみらい線新高島駅から歩いてすぐのところに、2019 年 4 月にオープンした資生堂の 「S/PARK」。「S/PARK Cafe」「S/PARK Studio」「S/PARK Beauty Bar」「S/PARK Museum」の 4 施設からなる、「美のひらめきと出会う場所」をテーマにした複合体験施設を訪ねました。

館内に入ると、吹き抜けの広々とした空間が広がります。白木と白く塗られた金属、ガラスで構成され、清潔さだけでなく心地よい緊張感と温もりに、資生堂らしさを感じます。

広々としたエントランスロビーを感心して眺めていると、螺旋階段も受付カウンターも S 字になっています!
さらに奥には、縦 5m 横 20m ほどの大画面に Crystal LED ディスプレイの精細で立体的な映像が映し出され、思わず見入ってしまいます
株式会社資生堂 みらい開発研究所 菅原陽子さん

「フロアに配置された白い椅子は付箋のブロックで、天井のオブジェはインスピレーションが羽ばたく様に付箋が飛んでいるイメージ なんですよ」。
そう教えてくれたのは、この日案内してくれた株式会社資生堂みらい開発研究所の菅原陽子さん。

資生堂グローバルイノベーションセンター (S/PARK)は最先端の研究施設であり、1、2 階が一般開放されています。訪れたお客さまとのコミュニケーションにより得られた美のひらめきやイノベーションアイデアを研究員が書き留めた付箋が、上層階にある研究所に飛んで行って、商品という形になって、またお客さまのもとに届くというイメージだそうです。菅原さんも元研究員で、初代「TSUBAKI」の開発に携わったそう。

おしゃれで洗練された資生堂らしさに加えて、研究所という先進性を感じさせ る S/PARK。放送作家・脚本家の小山薫堂さん(株式会社 ORANGE AND PARTNERS)が全体をプロデ ュース、デザイナー・建築家の佐藤オオキさん(デザインオフィス「nendo」)が空間デザインを されたと聞いて納得です。

大切なのは中身だけじゃない。
資生堂がデザインも大切にする理由

2階 体験型ミュージアム「S/PARKMuseum」、「SCIENCE×ART」ゾーン

2 階のフロア全体を使った「美」を感じられる体験型ミュージアム「 S/PARK Museum」へ。 ここは 4 つのゾーンの体験を通して、美について考えを深めることができます。

「SCIENCE × ART」ゾーンでは、理科の理論が化粧品にどのように用いられるかというサイエンスの側面と、色や形、素材などデザインがもたらすアートの要素を体験できます。乳液の質感の 違いを確かめたり、香りの違いによる重さの感じ方の実験をしてみたり、組み合わせた香りを試すことができます。顔を撮影して行うメイクのシミュレーションは、別人のように変身する自分 を見て、メイクによる効果を実感。

4 種の乳液の質感を試せるコーナー
メイクの理論を見て学べ、メイクシミュレーションまで できる楽しいコーナー
自分の肌をマイクロスコープで見ることもできます
香りを調合できる体験ブース
色、デザイン、美へこだわりを感じられる拭き取り化粧水 「オイデルミン」の変遷

このゾーンでひときわ目を引くのは、ずらり と並べられた「オイデルミン」のボトル。 1897 年から今も販売されている化粧水ですが、時代に合わせリニューアルされたデザインの変遷から、時代の空気感を感じ取ることができます。

赤・白・黒・金・銀などの容器の色に込められた想い、時代を象徴するユニークなボトル形状のコンセプト、時代と共に進化してきた 唐草のパッケージデザインの展示などを通して、デザインから受ける印象の違いに驚くとともに、資生堂が大切にしているアートの効果を実感。 化粧品って中身だけでなくパッケージのデザインも大切ですね。

コーポレートカラーの赤をはじめ、エレガントさ・シ ャープさの黒、上品な華やかさのゴールドなど、色にも美への想いが込められています
懐かしのボトル・パッケージが、ずらりと並びます

資生堂のあゆみと「美」を通した社会貢献。

「自分 PV」は、作成後、写真がはまった映像として流れます
QR コードで持ち帰って楽しむことも

このほか、「LIFE OF BEAUTY」ゾーンでは、 「自分 PV」を作る体験ができます。大正期の “モダンガール”や、バブル期の“バブリー ゴージャス”、現代の“ゆるふわ女子”な ど、各時代の流行のファッションやヘアスタイルに、自分の写真を当てはめて変身!
できあがった動画はちょっと笑えます。

資生堂の歴史や、美しく生きることへの多様な取り組みが 展示されています

化粧品だけでなく、時代ごとの生活文化を牽引してきた資生堂。美容だけでなく、美しく生きることに広く取り組む姿勢は今も受け継がれ、視覚障がいの方のための点字による美容テキストの作成や、障がいを持つ方への美容講座を開くなど、近年の社会的な取り組みへとつながっていきます。

資生堂の最新の知見や、開発中の試作品が展示されているのは「INNOVATIONS IN BEAUTY」ゾーン。特に目をひいたのは「世界に触れられるかわいいネイル」。
このネイルは、丸いカメラデバイスを身につけ、ネイルをかざすと、ネイルの先(目の前)にある景色をセンサーが自動で感じ取って AI が音声で教えてくれるというもの。視覚障がいの方でも景色を楽しめて、しかもとってもかわいくなれるところが重要! 現時点で商品化は未定とのことですが、「美」を考え、その知見で社会に貢献していく資生堂の姿に感動しました。

美を追究するスタジオにカフェも。カラダの中からキレイになる!

1階には、アクティブビューティーの実現を目指すエクササイズスタジオ「S/PARK Studio」があります。ロッカー、シャワー室には、資生堂ブランドのアメニティが各種取り揃えてあり、自由 に使う事ができます。研究員が開発したオリジナルエクササイズプログラムや、「資生堂ランニングクラブ」OG 監修のランニングプログラムがあります。

S/PARK Studio  2階の開放的なスペースで行われるものや 外へ出るプログラムも
更衣室では、化粧水や日焼け止めなど資生堂の商品が自由に使えます

ランニングステーションとしての利用も可能。シューズ、タオル、ウェアのレンタルもあるので、手ぶらでも気軽に参加することができます。

S/PARK Studio 予約サイト https://tarp-pro.jp/user/spark

資生堂パーラーのシェフが監修する「S/PARK Cafe」では、“ベジセントリック”=野菜中心 の 食事や健康的なスムージーなどが楽しめます。 通りに面した明るく清潔感漂う店内は、カウンター席もあり、一人でもくつろげそう。

S/PARK Cafe
照明やちょっとした入れ物に実験器具が使われるなど、
あちこちに研究所らしさを感じます

「 S/PARK Beauty Bar」には、自由に資生堂の商品を試すことができる「コスメテーブル」と半個室の「コスメブース」があります。「パーソナライズ スキンケアサービス」は事前予約が必要 ですが、ビューティーコンサルタントとともに 2 時間かけて、じっくりとマイコスメ(化粧水と乳液)を作ることができます。香りが選べて、無香料にもできるそうですよ。これはぜひ試してみたい!

S/PARK Beauty Bar 予約サイト https://sparkbeautybar.resv.jp/

「パーソナライズ スキンケアサービス」では、化粧水と乳液はもちろん、パッケージもデザインを組み合わせて選べるそう
自由に資生堂の商品を試すことができる「コスメテーブル」

S/PARK で触れた資生堂の「美」は化粧品だけでなく、感覚や心、体との深い相互作用から生み出されるものでした。化粧品はもちろん、さまざまなモノや人とのかかわり合いが私らしい 「美」をもたらすのかもしれない。そんな新しい発見をすることができた素敵な体験でした。

資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)
https://spark.shiseido.co.jp/
日曜休館
営業時間は時期によって異なるため、HP で確認してください。
入館料:無料