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取材記事

【取材記事】編集部がPICK UP!みなとみらいおすすめスポット(2)

編集部のおすすめスポットをピックアップする今回の特集。
第2弾は、学ぶ、遊ぶ、読む、調べる、さらに飲食といった多様な過ごし方ができる施設「JICA横浜」を紹介します! 大人も子どもも楽しめるJICA横浜で、日本人の移住の歴史や海外の文化にふれてみませんか?

さまざまな時間の過ごし方ができるJICA横浜

横浜ハンマーヘッドの向かいに位置する「独立行政法人国際協力機構横浜センター(JICA横浜)」。

開発途上国からの研修員の受け入れやJICA海外協力隊の派遣など、JICAのさまざまな事業が行われる国際協力の拠点であり、展示やイベントを通してその一端を知ることができる、市民に開かれた施設です。

日本人の海外移住の歴史と足跡を展示する「海外移住資料館」をはじめ、多国籍な料理が味わえる「港が見えるレストラン Port Terrace Cafe(ポートテラスカフェ)」や、国際協力関連の図書を集めた「ライブラリー」、 くつろいで世界の本を読める「ブックポート(ブックラウンジ)」があり、誰でも気軽に楽しむことができます。

独立行政法人国際協力機構横浜センター(JICA横浜)
今回JICA横浜を案内してくださった
市民参加協力課 鈴木理紗さん(左)
海外移住資料館担当 三浦紗季さん(右)

吹き抜けとなっている1階のエントランスホールやサークルウォークからつながる2階のエントランスには、国際協力や日系社会について「楽しみながら知る」「くつろぎながら見る」展示やアートが設置。これらを通じ自然に国際協力にふれることができます。

さらに資料館の展示も見てみようかな、ライブラリーに行ってみようかなと、好奇心をかき立てててくれます。

1階エントランスに直接描かれた、日系ブラジル人二世の国際的アーティスト 大岩オスカール氏の作品《トラベリング・アラウンド・ザ・ワールド(ニューカントリー)》。多くの日本人移民が渡航した横浜港の風景からインスピレーションを得たそうです
Photo: Ken Kato
※現在は入り口工事のため、一部覆われています
dot architects(ドットアーキテクツ)が「海」と「大陸や島」をモチーフに展示デザインを手がけた1階の「JICAプラザよこはま」ではJICAの取り組みなどを紹介
2階エントランスから入ると目に入る動物のオブジェは、移住地を感じてもらおうと設置されています。アーティスト・藤浩志さんの作品《メッセンジャー》。背中に座れるカピバラは子どもたちに大人気
壁に描かれた横浜在住のイラストレーター・イクタケマコトさんの作品《日系移民の歩み》。日系社会について知ることができ、自由に色を塗れるぬり絵となっています
国際協力や移住に関する資料や、多言語の書籍や絵本を置いている2階のライブラリー。1人5冊まで本を借りることができ、週末は定期的に日本語と外国語での読み聞かせも開催
3階ブックポートにも司書さんおすすめの本が。ソファでくつろいで本を読むことができます。(貸出不可)

移民の歴史をボリュームたっぷりの展示から学ぶ「海外移住資料館」

北中南米への日本人移住の歴史と日系人の暮らしを紹介している2階の海外移住資料館は、移住当時実際に使われた物品や写真、映像、再現レプリカなど、さまざまな展示がたっぷり楽しめるJICA横浜の目玉の施設です。

どれだけの日本人がどんな経緯でどこに移住したのか、どんな仕事をしていたのか、どんな文化交流がなされたのかといった足跡を順に辿ることができます。

2022年のリニューアルにあたっては、ユニバーサルデザインが各所に施され、点字案内もフロアや展示物に設置されました。

海外移住資料館の展示解説やクイズを通して、楽しく学ぶことが出来る小中学生用のパスポートも用意されています。音声案内は現在日本語で子ども用と一般用を提供していますが、英語やスペイン語、ポルトガル版も準備中。
また、展示背景のモノクロ写真をカラーに着色するなど、技術の進歩に合わせて新たな工夫が施されています。

ボランティアガイドさんがいる時には、個人の来場者でも解説を聞きながら回ることもできます。また、子どもたちが最大限楽しめるよう、クイズや宝探しなどのイベントも。
さらにペルーとブラジルへ移住された方の情報がデータ化されており、自分の祖先はどの船に乗ったのかと調べに来る日系人の方も多いそうです。

三浦さんは、「日本人の移住の歴史を通して、逆にいま日本にいる外国人の方々と私たちがどう接するのか、国内の多様な人と共生していく上でどんなことが必要なのか、ヒントが見つかるかもしれません」と話します。

一番人気のフォトスポット「野菜山車」のレプリカ。1921年のアメリカ・オレゴン州ポートランドのお祭りのために日本人が日本とアメリカの野菜や果物を使って飾り付け、屋根の両側にアメリカ国旗と日本の国旗を表現した(写真はアメリカ国旗側)
移住者たちが持っていった荷物。柳行李(やなぎごうり)はベビーベッドとしても重宝したそう
1973年に横浜から出航した「にっぽん丸」が南米への最後の移民船となった
ハワイのさとうきび畑で働く多国籍の労働者たちがお弁当を交換して交流を深めたことから生まれたミックスプレート

多国籍料理×港×アート! 「ポートテラスカフェ」

晴れた日にはテラス席から赤レンガ倉庫やベイブリッジが見渡せる3階のポートテラスカフェ。JICA横浜の研修員だけでなく、だれでも利用でき、ヴェトナムのフォーやフェジョアーダ(黒豆とソーセージのブラジル風煮込み)など国際色豊かなメニューを楽しむことができます。

「海外移住資料館の展示はボリュームがあるので、一度見た後にここで食事や休憩して、再度展示の続きを見に来る方も多いです」と三浦さん。

イギリスのガーデンデザイナーによる植栽が彩るテラス
日系ブラジル人三世のアーティスト、ジェームズ・クドウ氏が中南米地域の自然から着想を得て描いた作品《テリトリアル・ディスプレイスメント》
広々とした店内ではフェアトレード商品の販売もしています

食やアートといった身近なコンテンツから、学びへと誘ってくれるJICA横浜。

鈴木さんは「小さい子どもから大人まで遊びながら学べる施設になっているので、国際協力を知らない人にもアートを通じて”世界”について感じとっていただけたらと思います。本の貸し出しや読み聞かせなどのイベントも地元の方にぜひ利用してほしいですね」と話してくれました。

展示や食事を楽しんだり、夏休みの自由研究に使ったり、じっくり本を読んだりと、目的は思い思いでOK!まずは気軽に立ち寄ってみませんか?

JICA横浜/海外移住資料館
住所:横浜市中区新港2-3-1
開館時間:10:00-18:00 (入館17:30まで)
休館:月曜日(月曜日が祝祭日の場合は開館、翌日休館)
電話番号:045-663-3251
HP:https://www.jica.go.jp/domestic/yokohama/index.html

Port Terrace Cafe
営業時間:ランチ11:30-14:00(L.O. 13:30)
カフェ14:00-17:00(L.O. 16:30)
電話番号:045-228-8075
※最新情報はHPをご覧ください
https://www.jica.go.jp/domestic/yo kohama/office/restaurant/index.ht ml

ライブラリー
開室時間:10:00-18:00
休館:月曜日(月曜日が祝祭日の場合は開館、翌日休館)、毎月末日(平日)、年末年始

ブックポート
開室時間:10:00-17:30
休館日:年末年始