【取材記事】みなとみらいミュージアム紹介①
京急ミュージアムで、「本物」の魅力と出会う!
コロナ禍で、なかなか紹介できなかったみなとみらいにある4つのミュージアムを紹介します。
1回目の今回は、「京急ミュージアム」です。
近年、横浜みなとみらい21地区には数多くの企業のオフィスが移転してきています。
同時に企業の歴史や技術を紹介する企業ミュージアムも続々とオープン。
今回編集部スタッフは
京急グループ本社ビルの1階にある「京急ミュージアム」へ訪れました。
横浜駅東口から徒歩7分、そごう横浜店、スカイビルを抜けて、はまみらいウォークをテクテク歩いて向かいます。日産グローバル本社ギャラリーを過ぎたその先に、京急グループ本社ビルがあります。
京急ミュージアムに入ると、佐藤武彦館長が出迎えてくれました。運転士さんの制服・制帽姿の館長の登場に、「わー本物だ!」と早速気分が盛り上がります。
それもそのはず、京急ミュージアムは「“本物”を見て、触れて、楽しむ」をコンセプトに、社員のみなさんやOBの力を結集し、手作りのあたたかさと、本物へのこだわりが随所に散りばめられたミュージアムなのです。
京急グループ120周年事業の一環で2020年1月21日にオープン。開館後すぐに緊急事態宣言により、4カ月間休館しましたが、現在は事前予約により1日3回の入れ替え制で運営しています。
まず佐藤館長が案内してくれたのは、京急電鉄の歴史的名車で昭和初期から活躍した「京急デハ236号」の展示。ミュージアムのオープンにあたって、他で保存・展示されていた車両を約2年かけて修復したのだそう。
枠いっぱいに広がった窓、床は木材、フワッとした座り心地のソファ。佐藤館長は「なんといってもこの大きな窓。三浦海岸へと向かう風光明媚な風景を楽しめるようにと、大きな窓の車両をつくっていたんです」と魅力を語ります。
車両の横には、「京急デハ236号」をはじめとする230形が引退した1970年代の頃のホームを再現して展示しています。
この窓から海が眼前に広がっていたのだろうなぁ、潮の香りやあたたかな風が吹き込んできたのかな、と想像力が膨らみます。
「先人たちの三浦半島へ人を呼びこみたい、という思いが詰まっていて、お客さんに夢を与えるような路線案内図なんです」と佐藤館長が指差す昔の路線案内図には、停車駅名だけではなく沿線の名所がかわいらしいイラストで描かれています。
そのレトロな愛らしさに惹かれて、オリジナルグッズ売り場で私も停車駅案内スポーツタオル(旧デザイン)を購入しちゃいました。
次に 館内の中央にある「京急ラインジオラマ」へ。全長約12mのこのジオラマには品川、羽田、横浜、三浦半島のまちを京急車両が走っています。
よーく見てみると、知っている企業や商業施設の名前が書かれた看板やビル、車に飛行機…。ジオラマ内を走行する車両にはカメラが搭載されています。
その映像を見ながら、本物の800形電車の運転台を使ってジオラマ内を走行する京急車両を操作体験できます。
ジオラマはその季節に合わせてしつらえを変えるという社員の方の心配りも心あたたまります。来るたびに新しい発見がありそうですね。
社員のみなさんの遊び心を、館内のあちこちで感じることができます。
オリジナルデザインのプラレールを作ることができる「マイ車両工場」に立ち寄った際に、ふと顔を上げると、お手洗い案内のピクトグラムが……敬礼しているではありませんか!
さらには佐藤館長が自らアレンジしたというマスクを付けたバージョンも発見し、うれしくなりました。
最後に案内された「鉄道シミュレーション」では、私も実際に運転士体験にチャレンジ!
わくわくコース・初級・中級・上級の4コースがあり、私は初級を選択。私のハンドル操作に合わせてモニター表示が動くので、手に汗握る緊張感です。
多くの運転士の育成を担当してきたという佐藤館長の熱血アドバイスを受けながら、なんとか無事に走行完了することができました。
京急ミュージアム体験動画
他にもこんな展示も
キューブ型のイス「ケイキューブ」
「幼い頃から電車に乗れば運転席の後ろにずっと張り付いていた私が、23歳の頃に運転士になり、日々多くのお客様の命を預かって30年、電車を走らせてきました。今、小さなお子さんたちがここで楽しんでいる姿を見ると、昔の自分を見ているような気持ちでうれしいんです」と目を細める佐藤館長。
まるで恋人のことを紹介しているような佐藤館長の小気味よい熱量あふれるトークに、私もすっかり京急ファンになってしまいました。
<京急ミュージアム>
https://www.keikyu.co.jp/museum/
開館時間、事前予約などは、HP上でご確認ください。