
【取材記事】華やかさと思いやりとエシカルと。この街らしさがつまったみなとみらいのイルミネーション2022
今年も、みなとみらいの夜がいっそう輝く季節が巡ってきました。
訪れる人への思いを込めて、街のあちこちがイルミネーションで彩られています。環境に配慮しながらも、クリスマスらしい華やかさで冬の夜を盛り上げるイルミネーションとその舞台裏を取材しました。
見逃せない!みなとみらい定番のイルミネーション
みなとみらいのイルミネーションの特徴は、街ぐるみで演出が企画されていることです。
代表的なものに、「ヨコハマミライト」、「ヨルノヨ」、「TOWERS Milight “UP”」 、また12/6にリニューアルオープンを迎える横浜赤レンガ倉庫の『Christmas Market in 横浜赤レンガ倉庫』などがあります。
これらのイルミネーションは見逃せませんが、ここからは編集部が厳選したおすすめのイルミネーションスポットをご紹介します。
みなとみらいのシンボル!ツリーを彩るペーパーアートに思いを込めて

今年25周年を迎えたクイーンズスクエア横浜では、「カナデル・クリスマス」として、高さ約12メートルのツリーが点灯しています。電球2.6万球の光とともに、午後4時以降は毎時00分に光と音のショータイムを演出しています。
クイーンズスクエア横浜イベント実行委員長の戸田さんは、「今年は、環境への配慮から、オーナメントは全て再生紙で作られたものを使っています。ペーパーアーティストの菅野一剛さんとコラボレーションした繊細な紙のオーナメントが、光を吸収して柔らかな輝きを放っています。
コロナで疲弊する中で、少しでも外に出てクリスマスの雰囲気を味わっていただきたいという思いで企画しました」と話します。
同委員会の井上さんは「ペーパーアートとイルミネーションの光、パイプオルガンの音の三位一体の魅力を味わってほしいです。実は12月25日の最終日にはサプライズも用意しているんです」とこっそり教えてくれました。


同委員会 井上悦子さん(右)
午後4時〜9時まで毎時00分になると、約6分間のショータイムがスタート。作編曲家・立山秋航さんが編曲し、横浜みなとみらいホールのシンボルのパイプオルガン「ルーシー」でオルガニスト山口綾規さんが演奏した曲が流れます。
足元には、カラフルな鍵盤型のライトが。こちらは、横浜みなとみらいホールのリニューアルを記念して、パイプオルガンをオマージュしたデザインになっています。
「音楽は人を幸せにする力があります。ツリーから、平和を発信していきたい」と戸田さんはツリーに込めた願いを語ってくれました。
クイーンズスクエア横浜クリスマス「カナデル・クリスマス」
■期 間: 開催中〜2022年12月25日(日)11:00〜23:00
※ツリー以外の一部イルミネーションは2023年2月28日(火)まで
■ショータイム:1日6回、約6分間 (16:00/17:00/18:00/19:00/20:00/21:00)
https://minatomirai21.com/campaign/30840
ロスフラワーでストーリーのあるクリスマス空間を。MARINE & WALK YOKOHAMA
続いてご紹介するのは、横浜湾に面したオープンモール「MARINE & WALK YOKOHAMA」。
海と緑がつながる洗練された空間に、こだわりのあるお店が並ぶ人気のスポットです。
2016年のオープン以来、毎年「サスティナブル」をテーマにクリスマスの演出を続けています。
今年は、「すべてのものに、ストーリーがある」をコンセプトに、バラやケイトウ、ヒバやコニファーといった、廃棄される「ロスフラワー」を生かしたアップサイクルな装飾が見どころです。株式会社RIN監修のもと、大きなウェルカムリースや、クリスマスプレゼントをイメージしたオブジェなど、ロスフラワーを生かした演出があちこちに。





昼間の印象から一転、夜になるとやさしいオレンジ色の明かりが空間を彩ります。ここへ来る前に他の場所に飾られていた花たちが今はこの場所を飾っている、“ストーリーのあるロスフラワー”とともに、心に残るひとときを写真に残してみては・・・
MARINE & WALK YOKOHAMAの酒巻さんは「期間終了後は、別イベントや施設のディスプレイに使ったり、お客様にブーケとしてプレゼントするなど、さらに循環させたいと考えています。施設としてサスティナブルに取り組んで行く中で、従業員にも浸透しました。こうした取り組みを通じて、生活の中で使えるものをアレンジするのが当たり前になればいいなと思っています」と話します。
イベントのタイトル「Merry Mellow Xmas(メリー・メロー・クリスマス)」の“ Mellow” には、「大切な人と一緒にゆったりと過ごす」という意味合いがあるそうです。「サスティナブルなツリーを大切な人と一緒に見ていただけたら嬉しいです」と酒巻さん。

「ハンマーヘッドがあり、シーバス乗り場も近くにできたので、いっそうこのエリアが賑やかになりました」
MARINE & WALK YOKOHAMA
Merry Mellow Xmas
■期間:開催中〜2022年12月25日(日)
https://minatomirai21.com/campaign/33168
村田製作所の若手社員が贈る、みなとみらいへの想いを込めたイルミネーション
新たなオフィスビルが立ち並ぶみなとみらい大通り。各施設が趣向をこらしたイルミネーションは、歩いているだけで楽しい気持ちになります。
子ども向け科学体験型施設「Mulabo!」(ムラーボ!)(過去取材記事はこちら)を併設した村田製作所みなとみらいイノベーションセンターでも、イルミネーションがひときわ華やかに光を放っています。

(左から)管理部 環境安全課の藤田紗英さん、CAD/CAE技術部 開発4課の菅彩華さん、バッテリ開発部3課の佐藤麻里奈さん
このイルミネーションは、若手社員の有志のみなさんが企画から設置まで1年かけて準備を進めていると聞いて、さっそくお話を伺ってきました。
昨年に引き続き実施したイルミネーションは、地域貢献と横浜での知名度アップに加え、コロナ禍で交流の機会が少なかった若手社員たちの横のつながりをつくることを目的にしているそうです。
「ちょうどコロナの時期に入社し、お互いにまったく交流がなかったのですが、企画を通じて同期とのつながりや他の部署、上司とも交流の機会になりました」と菅さんは笑顔を見せます。


通り沿いに面した建物の外観約50mにわたるイルミネーションは、みなとみらいらしさを波のようなウェーブで表現し、白を基調にしたシンプルなデザインが印象的です。「みなとみらいといえば、とにかく洗練されたおしゃれなイメージなので、そう感じてもらえるようなデザインにこだわりました」と佐藤さん。藤田さんは「ライトの色は、寒々しくならずに温かみのある白色を表現するのに苦労しました」と教えてくれました。
特に今年は、社内アンケートで「SDGsへの配慮」を求める声が多く、環境に配慮した仕掛けを考えてきました。イルミネーションの電力は、横浜市由来の再生可能エネルギーを100%使い、館内のツリーの下には解体建材から作られたウッドチップを敷き詰めています。さらに、植物の微生物が生み出す力が電源となって光るボタニカルライトを取り入れています。
「みなとみらいらしいイルミネーションを通して、街のみなさんがあたたかい気持ちになっていただけたらと想っています。多くの人に見て頂きたいです」と語ってくれました。


村田製作所みなとみらいイノベーションセンター
■イルミネーション期間:開催中〜2月12日まで(ツリーは12月25日まで) 16:00~22:00
https://minatomirai21.com/facility/84
このほか、みなとみらい大通りは、各施設の華やかなイルミネーションやクリスマス装飾で彩られています。こちらも必見です。








さて、みなとみらいの今シーズンのイルミネーションをご紹介しました。
空気が冷え込む季節だからこそ、いっそう光輝くこの季節。舞台裏でかかわる人たちの思いを感じながら、ぜひ冬のみなとみらいの街歩きを楽しんでみてください。
※昨年は、陸・海・空からの眺めたみなとみらいの夜景の魅力に迫りました。
2021年のイルミネーション記事はこちら